世界遺産 国宝姫路城のすべてをご案内いたします

ろノ門

ろノ門ろノ門もいノ門と同じく高麗門です。
ろノ門そのものの攻略はさほど難しくないでしょうが、これを突破しようとする前後には、右斜め上方からの矢と銃弾の雨にさらされることになります。

 

 

石棺転用石ろノ門を入ってすぐの右手塀沿いの石垣の一番奥の上から二番目の石にご注目ください。妙にきれいな四角い石だと思いませんか? これは、このあと何か所かで見られる石棺を転用した石垣のひとつです。柵越しに写真矢印の方向から覗きこむときれいにくり抜いたあとが見られ、これが石棺のふたであることがわかります。姫路城が建っている姫山は、古代はこのあたりの豪族の古墳が多くあったところと言われています。また中世には称名寺というお寺が建てられました。秀吉も輝政も、短い期間に石垣を完成させなければならなかったために、基礎工事中に掘り出された石棺は積極的に石垣の積み石として二次利用しています。当時はあまり「罰が当たる」とか「縁起が悪い」とかいう意識はなかったようで、墓石や五輪塔、石灯籠の一部なんかもどんどん使われています。こういう石を「転用石」と言います。この後の見学でも、転用石が使われている場所でその都度お知らせしましょう。

将軍坂さて、ろノ門を入ると道は二手に分かれます。右手はクランク状に塀を回り込むと上り坂です。ここまで敵が攻め寄せたら、さきほどまでこの坂道の狭間で射撃していた兵と白兵戦に及ぶことになります。なお、この坂道の下から天守を仰ぎ見るのも姫路城を代表するビュースポットです。
この坂は松平健主演のテレビ映画「暴れん坊将軍」シリーズに、江戸城内のシーンとして度々登場することでもよく知られていまして、誰言うとなくこの坂のことを「将軍坂」と呼ぶようになりました。もちろん史実とは何の関係もありません。
なお左手の登り坂は西の丸へのもうひとつの入口です。ここも菱の門脇と同様、防御側の兵を坂の上に駐留させておけば、天守目指して右手の坂を駆け上がろうとする敵の背後から襲うことが可能です。
坂道を登り始める前にもう一言。右手の白壁の一番先端をご覧ください。壁の断面がきれいに見えますね。ここでご注目いただきたいのは壁の断面の一番上部、屋根のすぐ下の部分です。上端がかまぼこ型に仕上げられているのがわかりますか? この壁がなぜこのような形になっているのか、合理的な理由はわかっていません。建築に無駄な時間と労力を使っているようにも思えるのですが、建築家としての美意識がそうさせたのでしょうか? 武骨な要塞設備の中にあって、こんな遊び心を加えているところが姫路城の美しさの秘密なのかも知れません。

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