この記事はいったい何を言いたいんだか?
「USJ顔負け」とか「強気の商売」とか悪意に満ちたタイトルをつけて、姫路城の入城料が1,000円に改定されたことがそんなに不満なのでしょうか?

今年3月に終了した平成の補修工事は、大天守の漆喰の補修と瓦の取り換えだけでしたが、それでも工期5年半、総工費24億円がかかりました。これは何十年に一度の大きな工事ですが、姫路城はいつ行っても城内のどこかで年中補修工事をやっています。文化財を維持するには手間とお金がかかるのです。直接文化財に関係ない部分でも、伸び続ける草木の伐採や剥げ落ちた芝生の整備、観光客の安全のための設備充実とメンテナンスなど、毎年やらなければならない事業は山のようにあります。それらの負担を税収不足にあえぐ一地方自治体にばかり押し付けるのではなく、来場者にもあまねく薄く負担をしてもらおうというのがそんなに気に入らないのでしょうかね?
それとも、姫路城は1,000円の価値もない、とでも言いたいのでしょうか?
記事末尾の締めの言葉がふるっています。
「シンデレラ城のモデルになったともいわれ、世界中から毎年年間130万人の観光客が訪れるノイシュバンシュタイン城のように継続的な集客力を発揮できるかどうかは、今後のアイデア次第となる。」
やれやれ、これではほんとうにノイシュバンシュタインも姫路城も、ディズニーランドかUSJ並みにしか考えられていないようです。
文化に対する認識、理解がじゅうぶんでない記者に文化面の記事を書かせると、新聞社としての品格にもかかわりますよ、産経さん。

産経新聞 2015年4月29日付記事
「日本一高い入場料」は当然…USJ顔負け、世界遺産姫路城が強気の商売